大判例

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水戸地方裁判所 昭和45年(手ワ)23号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔編註〕 本件に関しては、つぎのような先例がある。

(イ) 日付を欠いて無効とされた例

(1) 大阪高判昭三五・一二・二四高民集一三・九・八四四本誌一一五・八三

(2) 京都地判昭四一・五・二三本誌一九三・一七一

(3) 京都地判昭四二・三・二八本誌二〇五・一七九

(ロ) 呈示の日、日付および支払人の表示を欠いて不適法とされた例

(1) 東京地判昭三八・七・一二手形研究七四・三一

(ハ) 呈示の日の記載を欠いたが、一定の事由があれば有効とされた例

(1) 京都地判昭四二・八・一七本誌二一〇・一六六

これらの先例をみると、本判決の先例的価値はさほど高いとは認められないが、呈示の日と日付の両方を、しかもこの両者のみを欠いた事例としては、初めてとみられるので、その限りにおいて、参考事例としての価値はあろうと思われる。

〔判決理由〕右甲第一号証によると、原告は右小切手を支払人たる株式会社常陽銀行笠間支店に呈示して支払いを求めたが支払いを拒絶されたので右支払人をして該小切手に

「此小切手本日呈示を受けましたが預金不足に付支払に応じられません

株式会社常陽銀行笠間支店

支店長 猪狩哲夫」

との支払拒絶宣言を記載させたが、右拒絶宣言には小切手呈示の日並びに支払人の拒絶宣言にきつ日附の記載のなされていない事実を認めることができる。

ところで、小切手法第三九条は、適法の時期に呈示した小切手の支払いを得られない場合に支払拒絶の事実を一定の方法で証明した場合に限り遡及権を行使し得ることとし、その証明の方法の一として「小切手ニ呈示ノ日ヲ表示シテ記載シ且日附ヲ附シタル支払人ノ宣言」と規定している(同条第二号)が、小切手には支払呈示期間が定められ(同法第二九条)、支払人の拒絶宣言も、原則として呈示期間経過前に、期間の末日に呈示のあつたときは例外としてこれに次ぐ第一の取引日に作成されることが必要である(同法第四〇条)ことに鑑みると、支払人の拒絶宣言に記載すべき「呈示ノ日」及び「日附」は期間遵守の証明のために規定された重要な事項であるものというべきであるから、これらの記載を欠く支払人の拒絶宣言は無効なものと解さなければならない。してみると、右呈示の日及び日附の記載のない前示支払人の拒絶宣言をもつて支払拒絶の事実を認めることはできず、他にこれを認めるに足る証拠もない。(長久保武)

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